過労死で6000万円賠償
損賠訴訟:31歳女性「過労死」 会社に6800万円賠償命令-福岡地裁判決
07年4月に致死性不整脈で急死した当時31歳の会社員女性の両親=大分市=が「娘の死は過労が原因」として、勤務していた東京都のシステム開発会社に約8225万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は11日、同社に6821万円の損害賠償を命じた。府内覚裁判官は「女性の業務量は心臓疾患の発症をもたらすほど過重で、会社は労働者の健康を守る注意義務を怠った」とした。
判決によると、女性は同社の前身だった都内のシステム開発会社の福岡事業所でシステムエンジニアとして働いていたが、07年3月に自殺未遂を図り、神経衰弱状態と診断された。1カ月後に職場復帰したが、6日目に出張中の都内のホテルで病死した。
判決は、07年2月の業務量について、時間外労働が月128時間に上っていることなどから過重と認定し、「自殺未遂もその表れ」と指摘。復帰後の労働時間も日13~15時間で、「病死は業務が原因」とした。
[毎日新聞社 2012年10月12日(金)]